後追いGiRLPOPディスクガイド 別館

WEBディスクガイド『後追いGiRLPOP』の誘導用に作成した別館です。87年〜97年にリリースされた女性ソロアーティストのアルバムを、当時を知らない筆者が後追いで聴いています。実は別館のほうがジャケット写真の解像度が高かったりする。

野沢直子『はなぢ』

野沢直子『はなぢ』 前年に『笑っていいとも』レギュラー、同年に『夢で逢えたら』がスタートするなど、芸人として売り出し中だった彼女が88年にリリースした1stアルバム。 全曲の作詞を野沢本人が担当。実在の芸能人の固有名詞がバンバン出る前半、ナンセン…

水沢瑤子『あなたがいるから』

水沢瑤子『あなたがいるから』 現在は本名の「波多江美鈴」として横浜の老舗バンド「スクラッチ」のボーカルを務める彼女が、「水沢瑶子」の芸名で92年に発表した1stアルバム。これぞトーラス・レコード!と言いたくなるような、ド歌謡ポップを聴かせる1枚。…

つみきみほ『つみきみほ』

つみきみほ『つみきみほ』 15歳で女優としてデビューし、並行して歌手としても活動した"つみきみほ"唯一のオリジナル・アルバム。凛々しさと清涼さを兼ね備えた歌声で、単なる「アイドル歌謡」とは異なる独特の存在感を放つ過渡期の名盤。 松本隆-細野晴臣の…

今野登茂子『24hours』

今野登茂子『24hours』 PRINCESS PRINCESSのキーボーディスト、今野登茂子がバンドの活動後期に発表した1stソロ・アルバム。プリプリでは寡作(作曲はアルバム1枚に1曲程度)だった彼女だが、本作では全曲を自身で作曲している。 コミカルな歌詞で展開豊かな…

松本伊代『MARIAGE〜もう若くないから〜』

松本伊代『MARIAGE〜もう若くないから〜』 80年代後半から脱アイドル化し、同年代女性へターゲットをシフトした松本伊代が91年に発表したキャリア最終作。彼女自ら執筆した同名小説とのタイアップ作品だが、企画盤ではなくオリジナル・アルバムと呼ぶに相応…

宝達奈巳『宝達奈巳』

宝達奈巳『宝達奈巳』 クラシックの素養を持ち、音大でケルトや琉球の音楽を学んだというシンガーソングライター、宝達奈巳が94年に発表した2ndアルバム。細野晴臣から「シャーマンが住んでいる」と称された歌声を軸に、一筋縄ではいかない摩訶不思議な世界…

岩崎宏美『FULL CIRCLE』

岩崎宏美『FULL CIRCLE』 1975年に16歳でデビュー、88年に結婚し益田宏美名義で家族愛をテーマとしたフルオーケストラ3部作をリリース後、離婚を経て名義を元に戻し発表した23thアルバム。プロデュースに13Cats(Cat Gray・沼澤尚・Karl Perazzo)を迎え、重…

森下恵理『嘆きのプリマドンナ』

森下恵理『嘆きのプリマドンナ』 85年にアイドル歌手としてデビュー。結婚を機に引退するも、後にシンガーソングライター「Eri」として再デビューする森下恵理が、88年に発表した2ndアルバム。 4曲で森下自らが作曲を担当。彼女がアイドルのなんちゃって作曲…

中野麻衣子『Bay Side Story』

中野麻衣子『Bay Side Story』 現在は横浜にてライブバー「Rick's Cafe」のママをしている(らしい)シンガー:中野麻衣子が91年に発表した唯一のアルバム。古き良き昭和ヨコハマ歌謡曲的フレーバーを、後追いだからこその高純度で散りばめた1枚。 佐藤健作…

谷村有美『PRISM』

谷村有美『PRISM』 ソフィスティケイテッドな楽曲クオリティ、社会へ進出し力強く生きる女性としてのイメージ、 ブックオフ280円コーナーでの遭遇率……いずれも取ってもGiRLPOPを代表する存在といえる谷村有美が、90年に発表した4thアルバム。 編曲は全曲で西…

深津絵里『SOURIRE』

深津絵里『SOURIRE』 有名女優のアイドル歌手時代の作品……と片付けるにはもったいないほど、GiRLPOPとしてのクオリティが高い92年発表の2ndアルバム。深津絵里の歌声は今井美樹ばりの澄み声で、楽曲を邪魔せず聴く人の心にスッと入ってくる。 メインの編曲は…

佐藤聖子『SATELLITE☆S』

佐藤聖子『SATELLITE☆S』 GiRLPOPムーブメントを象徴する存在であり、今もなお少なくない人々の心の柔らかい場所をしめつけ続けるシンガー:佐藤聖子の最高傑作である4thフルアルバム。 彼女の声に宿る不思議な魅力を説明するのは難しい。スポーツ的な歌唱力…

吉田真里子『匿名希望』

吉田真里子『匿名希望』 88年にアイドルとしてデビューし活動していた吉田真里子が一転、インディーズで自らレーベルを設立し発表した94年発表の6thアルバム。全曲を自ら作詞作曲し、アートワークも含めそれまでのイメージを大きく覆した怪作。 ソングライタ…

我妻佳代『OH! CHAPPY』

我妻佳代『OH! CHAPPY』 おニャン子クラブ解散後、ソロデビューした我妻佳代が88年に発表した1stアルバム。 10曲中7曲の編曲を鷺巣詩郎が担当した、メリハリあるアイドル・ポップスの1枚。 マッドなテクノ歌謡②から異国情緒に溢れた⑥まで、シンセブラスを核…

相田翔子『JOIA』

相田翔子『JOIA』 Wink活動停止後に発表された、96年作のソロ1stフルアルバム。全曲を自身で作曲し、元アイドルとは思えないアーティスティックな音楽性をみせた名作。 なんとあの「マシュ・ケ・ナダ」で著名なSergio Mendesが4曲で編曲を担当。そのことから…

高橋洋子『9月の卒業』

高橋洋子『9月の卒業』 今ではすっかり「エヴァンゲリオンの人」になってしまった高橋洋子だが、そんな彼女の初期を代表する93年リリースの2ndアルバム。全曲を彼女自身が作曲(作詞は田久保真見との共作)した、後にも先にも唯一の作品である。 ハイトーン…

加藤いづみ『テグジュペリ』

加藤いづみ『テグジュペリ』 GiRLPOPの代表的存在であり、近年はももクロをはじめ多数のコーラスサポートを務める加藤いづみが91年に発表したデビュー・アルバム。それまで青春ロック系の女性歌手をプロデュースすることが多かった高橋研が一転、封印を解く…

川村かおり『ZOO』

川村かおり『ZOO』 ロシア・日本のハーフでモスクワ出身、当時17歳だった川村かおりが88年に発表したデビュー作。思わず「和製スザンヌ・ヴェガ」と形容したくなるような、内省的な世界観を巧みに表現した好盤。 作曲・編曲は(当時はまだ「ECHOESの」だった…

植山遊子『Woman In Love』

植山遊子『Woman In Love』 LAで活動していたSSW:植山遊子が、現地のミュージシャンを起用し制作したキャリア唯一のアルバム。エモーションズがコーラスで参加するなどバックの演奏は洗練されているのだが、その上に乗る植山の日本語ボーカルが粘っこく、発…

YUKIE『LOVE AFTER LOVE』

YUKIE『LOVE AFTER LOVE』 R&B系SSW:YUKIEが坂本龍一主宰のGÜTレーベルから97年に発表した1stアルバム。ajapai名義やテイトウワ・小日向歩と組んだ「SP1200 Productions」でも知られる森俊彦が全面プロデュースを担当した、N.Y.制作の1枚。 本作はまずYUKIE…

YOU『カシミヤ』

YOU『カシミヤ』 バラエティ・タレントとしてのYOUではなく……そして、フェアチャイルドにおけるYOUでもない。ジャジーかつしっとりとした曲調に、彼女の特徴的な声質が合わさった94年発表のソロアルバム。 元・Shi-Shonen・Real Fishの福原まりを中心に、藤…

岩崎良美『月夜にGOOD LUCK』

岩崎良美『月夜にGOOD LUCK』 1980年に18歳でデビュー、85年のヒット曲「タッチ」でも知られる岩崎良美が、古巣のキャニオンから移籍して発表した89年作14枚目。ソニー期で唯一のアルバムである。 当時チキンシャックのベーシストだったBobby Watsonと、マイ…

山岡京子『夢のパズル』

山岡京子『夢のパズル』 現在は「山岡恭子」として他ミュージシャンのコーラス・キーボード等サポートも手がけるシンガーソングライターが、笹路正徳のプロデュースを受けて1997年に発表した1stアルバム。 作風としては奇をてらうでもなく、無駄にテンション…

詩子『be natural』

詩子『be natural』 現在は彫刻家「木田詩子」として活動している彼女が、90年に発表した1stアルバム。抜群の歌の上手さとクオリティの高い楽曲が堪能できる、90年代AOR風ポップスの名盤。 作曲陣は後にユニット「largo」を組む内藤慎也をはじめ、熊谷幸子・…

宇井かおり『JUST SIGHS』

宇井かおり『JUST SIGHS』 シンガーソングライター、宇井かおりが94年に発表した1stアルバム。朝の澄んだ空気が伝わる雪山のジャケットを、そのまま音像化してパッケージングしたかのような1枚。 いわゆるGiRLPOPにありがちな、無理に盛り上げようとする派手…

鶴田加奈子『Cosmic Cherry』

鶴田加奈子『Cosmic Cherry』 ドラムを叩きながら歌うライブスタイルで、現在は沢田茅乃とのツインボーカル・バンド「#01.A.1948」で活動する鶴田加奈子が96年に発表した唯一のソロアルバム。ロックといっても「ロック風味」のものが多いGiRLPOP界において、…

坪倉唯子『Loving You』

坪倉唯子『Loving You』 85年のレコードデビュー後、様々なミュージシャンのバックコーラスでも活躍していた坪倉唯子が、同年にB.B.クイーンズのボーカリストとして「おどるポンポコリン」を大ヒットさせる直前に発表した2ndアルバム。 シンセベースの連打が…

古内東子『Hourglass』

古内東子『Hourglass』 93年に現役女子大生シンガソングライターとしてデビュー後、徐々にソウル・R&B的な方向へ楽曲をシフトさせてきた古内東子が96年に発表した5thアルバム。次作『恋』と並び、90年代半ばの古内東子黄金時代を代表する1枚。 全10曲中、①〜…

種ともこ『オ・ハ・ヨ』

種ともこ『オ・ハ・ヨ』 デビュー以来続いた武部聡志とのタッグを解消し、プロデュース・編曲を自ら担当した転機の4thアルバム。ジャケットへ掲げた「All Songs Performed by Tomoko Tane」に偽りなく、詩・曲・アレンジの有機的な組み合わせが堪能できる1枚…

Tamao『Talking Marimba』

Tamao『Talking Marimba』 The BOOM・ZELDA・ZABADAK・原マスミ等をサポートし、近年ではBank Bandにも参加していた女性パーカッショニスト:藤井珠緒が「Tamao」名義で95年に発表した歌ものミニアルバム。自身のルーツであるマリンバを主軸に、小さな日常か…