橋本一子『ロマンティックな雨』
- 80年代からYMOのサポートや谷山浩子等のアレンジ、 ジャズシーンでの活躍、サントラ仕事から小説の執筆・アニメ声優まで……活動の枚挙に暇がないノンジャンル音楽家:橋本一子が92年に発表した9thソロアルバム。ポリドールから移籍して制作した、ワーナー時代唯一の作品である。
- 本作は橋本一子のキャリアにおいてはかなり異質と言える、意識的なポップ・ソング集である。躍動感に溢れたタイトルトラックの名曲①を筆頭に、ピチカート・ファイヴすら彷彿とさせる⑤、小芝居も挟む⑦、夫である藤本敦夫と共作した作詞が素晴らしい⑩などを収録している。
- 自編曲が当然な彼女には珍しく、米光亮へアレンジを委ねた④⑥⑨では同時代GiRLPOPとの親和性を感じる場面も。一方で①⑧などの小気味よいジャズ・ポップスは、彼女だからこその楽曲といえる。特に最後を飾る⑫は、このアルバムの橋本一子だからこそのラブソング名曲である。
1992/5/25 45m ワーナー
- ロマンティックな雨
- 愛する……
- はるかな想い
- もっとはやく
- Season
- 自分を抱きしめるように
- モ・ノ・ガ・タ・リ
- 4月の神秘
- ほんとの生命
- すこしときどき
- 生まれつづけるために
- 練習しましょ
その他のアルバムはこちらから