森下恵理『嘆きのプリマドンナ』
- 85年にアイドル歌手としてデビュー。結婚を機に引退するも、後にシンガーソングライター「Eri」として再デビューする森下恵理が、88年に発表した2ndアルバム。
- 4曲で森下自らが作曲を担当。彼女がアイドルのなんちゃって作曲でないマジのソングライターなのは、名曲②を聴けば明らかである。また本作は作詞:岩里祐穂・作曲:上田知華の楽曲を4曲収録。オープニングの①や名曲⑥など、後に今井美樹作品等で有名になるコンビの萌芽を見ることができる。編曲面では杉山TOMの硬質ながら練られたアレンジを中心に、崎谷健次郎・中村哲・林有三が脇を固める。
1988/3/21 51m BMG
- Purple Train
- Blue Eyesを抱きしめたい
- Away of Escape
- テーブルクロス
- Blind Date〜真夜中の恋人
- MAMAはナーバス
- High Time To LOVE
- 聴かせてWorry
- 無邪気になりたい
- アイスキャンディー・ベイビー
- Good Day, My Time
- 嘆きのプリマドンナ
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中野麻衣子『Bay Side Story』
- 現在は横浜にてライブバー「Rick's Cafe」のママをしている(らしい)シンガー:中野麻衣子が91年に発表した唯一のアルバム。古き良き昭和ヨコハマ歌謡曲的フレーバーを、後追いだからこその高純度で散りばめた1枚。
- 佐藤健作曲の佳曲②、京田誠一編曲の「まさに!」な③⑦などを収録。詩・曲・編で総勢13名の作家が参加しているが、コンセプトがハッキリしているためかアルバムには良い統一感がある。テンポを上げれば谷村有美になりそうな西脇辰弥作編曲の④も、中野麻衣子が歌うと変に浮かないから不思議である。
1991/6/28 46m EMI
- Moonlight Bay Bridge
- Imitation Blue
- チャイナ・タウン
- 週末のLovelorn Girl
- 夜明けなんかこなくていい
- Twilight
- カリブの熱い砂
- Dear My Memories
- 頬づえなんてつまらない
- 遠い日曜日
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谷村有美『PRISM』
- ソフィスティケイテッドな楽曲クオリティ、社会へ進出し力強く生きる女性としてのイメージ、 ブックオフ280円コーナーでの遭遇率……いずれも取ってもGiRLPOPを代表する存在といえる谷村有美が、90年に発表した4thアルバム。
- 編曲は全曲で西脇辰弥が担当。密度は高いが空間的な余裕も感じさせる、きめ細やかに要所を突くアレンジは文句なし。打ち込みとバンドサウンドの比率も丁度よく、⑧ではプログレなシンセソロも。ドラムの土屋敏寛をはじめ、バックのプレイも心なしか生き生きとしている。
- 作曲は谷村と西脇が5曲ずつ担当。戸沢暢美の作詞も素晴らしい③・ノリの良い①⑥⑦で西脇曲がアルバムを牽引すれば、対する谷村も名曲②・どこか影のある④⑧・壮大な⑩で対抗。谷村の詩との相乗効果もあり、各楽曲のクオリティは高い。また②の全音2回上転調や⑥のハイトーンなど、谷村のクリスタルボイスをよく味わえる作品でもある。
1990/5/12 45m ソニー
- BLUEじゃいられない
- 6月の雨
- ようこそ愛する気持ち
- 友達でいい
- 黄昏のシルエット
- シンデレラの勇気
- ラッシュ・アワーのアダムとイヴ
- 眠れぬ夜の恋人達
- つばめに逢える頃に
- ひとつぶの涙
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深津絵里『SOURIRE』
- 有名女優のアイドル歌手時代の作品……と片付けるにはもったいないほど、GiRLPOPとしてのクオリティが高い92年発表の2ndアルバム。深津絵里の歌声は今井美樹ばりの澄み声で、楽曲を邪魔せず聴く人の心にスッと入ってくる。
- メインの編曲は元BARBEE BOYSで、PSY・Sのライブバンド等で知られる「安部王子」こと安部隆雄が担当。派手な訳ではないが、ポップスとしての要所を押さえたアレンジが素晴らしい。またゲスト編曲陣としてBuffalo Daughterの前身バンドとしても知られるハバナ・エキゾチカ、電気グルーヴに在籍していたCMJK、⑧の作曲でも良い仕事をした伏島和雄率いるFLYING KIDSが1曲ずつを担当している。
- そして何と言っても!大名曲④の存在なしに本作を語ることは不可能だろう。イントロのドラム、コード進行とメロディ、ストリングスアレンジ、歌詞の内容の全てがマッチしたGiRLPOP屈指の名曲である。
1992/3/21 46m ビクター
- ひとりずつのふたり
- SOURIRE
- 長い髪の女の子なら
- 彼女のダンスを見にいこう
- 神様お願い
- 愛はすてき・愛は花束
- かがやき
- あなたは分かってる
- 北風のキャンプ
- サヨナラの夕方
- 花嫁
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佐藤聖子『SATELLITE☆S』
- GiRLPOPムーブメントを象徴する存在であり、今もなお少なくない人々の心の柔らかい場所をしめつけ続けるシンガー:佐藤聖子の最高傑作である4thフルアルバム。
- 彼女の声に宿る不思議な魅力を説明するのは難しい。スポーツ的な歌唱力があるわけではない。逆に言えばスポーツ的な歌手には絶対に出せない大事なものが彼女の歌には内包されており、 今作はそんな彼女の歌が活きる楽曲・歌詞が詰め込まれた1枚である。本人作曲の①②③を筆頭に、初参加となる朝本浩文の⑥、メジャーデビュー前の馬場俊英による⑨などグルーヴィーな名曲が並ぶ。またデビュー時から続く「西脇唯-間瀬憲治-水島康貴」ラインも④⑧⑪が収録され、アルバムに良いメリハリを与えている。
- 個人的な話ですが、筆者がGiRLPOPにハマったキッカケの作品であり、何から聴けば良いか判らない人にまず勧めたい1枚です。これを書いてる時も④の大サビで泣きました。
1995/6/21 59m フォーライフ
- 降っても晴れても
- スピード
- VOICE (Album Mix)
- さよならがおしえてくれる
- シール
- 星よ流れて
- Sends, stare & tears
- 一緒にいよう
- Heartbeats Groove
- 恋をするなら (Album Mix)
- 空にキスをするように
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吉田真里子『匿名希望』
- 88年にアイドルとしてデビューし活動していた吉田真里子が一転、インディーズで自らレーベルを設立し発表した94年発表の6thアルバム。全曲を自ら作詞作曲し、アートワークも含めそれまでのイメージを大きく覆した怪作。
- ソングライターとしては怪しげで捻れた旋律を得意とし、詩が素晴らしいタイトル曲①をはじめ、④⑤⑦など暗めの楽曲に光るものがある。一方で⑨のような瑞々しいメロディを持つ佳曲も有り。編曲は全曲で多田光裕が担当し、アコースティック・ベースの音色を効果的に使うなど、オルタナティブな楽曲の雰囲気作りを大事にしている。
1994/12/1 50m インディーズ
- 匿名希望
- tempest
- ガラスの小びん
- 悲しみよ こんにちは
- prayer
- 悲しみに染まる場所
- 無意識
- 雨音
- 夏の午後
- ラララ…
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