後追いGiRLPOPディスクガイド 別館

WEBディスクガイド『後追いGiRLPOP』の誘導用に作成した別館です。87年〜97年にリリースされた女性ソロアーティストのアルバムを、当時を知らない筆者が後追いで聴いています。実は別館のほうがジャケット写真の解像度が高かったりする。

2018-10-16から1日間の記事一覧

加藤いづみ『テグジュペリ』

加藤いづみ『テグジュペリ』 GiRLPOPの代表的存在であり、近年はももクロをはじめ多数のコーラスサポートを務める加藤いづみが91年に発表したデビュー・アルバム。それまで青春ロック系の女性歌手をプロデュースすることが多かった高橋研が一転、封印を解く…

川村かおり『ZOO』

川村かおり『ZOO』 ロシア・日本のハーフでモスクワ出身、当時17歳だった川村かおりが88年に発表したデビュー作。思わず「和製スザンヌ・ヴェガ」と形容したくなるような、内省的な世界観を巧みに表現した好盤。 作曲・編曲は(当時はまだ「ECHOESの」だった…

植山遊子『Woman In Love』

植山遊子『Woman In Love』 LAで活動していたSSW:植山遊子が、現地のミュージシャンを起用し制作したキャリア唯一のアルバム。エモーションズがコーラスで参加するなどバックの演奏は洗練されているのだが、その上に乗る植山の日本語ボーカルが粘っこく、発…

YUKIE『LOVE AFTER LOVE』

YUKIE『LOVE AFTER LOVE』 R&B系SSW:YUKIEが坂本龍一主宰のGÜTレーベルから97年に発表した1stアルバム。ajapai名義やテイトウワ・小日向歩と組んだ「SP1200 Productions」でも知られる森俊彦が全面プロデュースを担当した、N.Y.制作の1枚。 本作はまずYUKIE…

YOU『カシミヤ』

YOU『カシミヤ』 バラエティ・タレントとしてのYOUではなく……そして、フェアチャイルドにおけるYOUでもない。ジャジーかつしっとりとした曲調に、彼女の特徴的な声質が合わさった94年発表のソロアルバム。 元・Shi-Shonen・Real Fishの福原まりを中心に、藤…

岩崎良美『月夜にGOOD LUCK』

岩崎良美『月夜にGOOD LUCK』 1980年に18歳でデビュー、85年のヒット曲「タッチ」でも知られる岩崎良美が、古巣のキャニオンから移籍して発表した89年作14枚目。ソニー期で唯一のアルバムである。 当時チキンシャックのベーシストだったBobby Watsonと、マイ…

山岡京子『夢のパズル』

山岡京子『夢のパズル』 現在は「山岡恭子」として他ミュージシャンのコーラス・キーボード等サポートも手がけるシンガーソングライターが、笹路正徳のプロデュースを受けて1997年に発表した1stアルバム。 作風としては奇をてらうでもなく、無駄にテンション…

詩子『be natural』

詩子『be natural』 現在は彫刻家「木田詩子」として活動している彼女が、90年に発表した1stアルバム。抜群の歌の上手さとクオリティの高い楽曲が堪能できる、90年代AOR風ポップスの名盤。 作曲陣は後にユニット「largo」を組む内藤慎也をはじめ、熊谷幸子・…

宇井かおり『JUST SIGHS』

宇井かおり『JUST SIGHS』 シンガーソングライター、宇井かおりが94年に発表した1stアルバム。朝の澄んだ空気が伝わる雪山のジャケットを、そのまま音像化してパッケージングしたかのような1枚。 いわゆるGiRLPOPにありがちな、無理に盛り上げようとする派手…

鶴田加奈子『Cosmic Cherry』

鶴田加奈子『Cosmic Cherry』 ドラムを叩きながら歌うライブスタイルで、現在は沢田茅乃とのツインボーカル・バンド「#01.A.1948」で活動する鶴田加奈子が96年に発表した唯一のソロアルバム。ロックといっても「ロック風味」のものが多いGiRLPOP界において、…

坪倉唯子『Loving You』

坪倉唯子『Loving You』 85年のレコードデビュー後、様々なミュージシャンのバックコーラスでも活躍していた坪倉唯子が、同年にB.B.クイーンズのボーカリストとして「おどるポンポコリン」を大ヒットさせる直前に発表した2ndアルバム。 シンセベースの連打が…

古内東子『Hourglass』

古内東子『Hourglass』 93年に現役女子大生シンガソングライターとしてデビュー後、徐々にソウル・R&B的な方向へ楽曲をシフトさせてきた古内東子が96年に発表した5thアルバム。次作『恋』と並び、90年代半ばの古内東子黄金時代を代表する1枚。 全10曲中、①〜…

種ともこ『オ・ハ・ヨ』

種ともこ『オ・ハ・ヨ』 デビュー以来続いた武部聡志とのタッグを解消し、プロデュース・編曲を自ら担当した転機の4thアルバム。ジャケットへ掲げた「All Songs Performed by Tomoko Tane」に偽りなく、詩・曲・アレンジの有機的な組み合わせが堪能できる1枚…

Tamao『Talking Marimba』

Tamao『Talking Marimba』 The BOOM・ZELDA・ZABADAK・原マスミ等をサポートし、近年ではBank Bandにも参加していた女性パーカッショニスト:藤井珠緒が「Tamao」名義で95年に発表した歌ものミニアルバム。自身のルーツであるマリンバを主軸に、小さな日常か…

渡辺真知子『TAHIBALI 〜タヒバリ〜』

渡辺真知子『TAHIBALI 〜タヒバリ〜』 1977年にデビューし、ニューミュージック・シーンの中で数々のヒット曲をとばしたシンガーソングライター:渡辺真知子が、活動休止・米国留学を経て2年半ぶりに発表した12thアルバム。ド派手なジャケが物語るように、 …

小桜エツ子『それでいいのだ』

小桜エツ子『それでいいのだ』 近年では『妖怪ウォッチ』でジバニャン役を担当するなど、活躍を続ける小桜エツ子(現:小桜エツコ)が96年に発表した1stアルバム。90年代パイオニアLDCの声優・アニメ関連楽曲といえば枯堂夏子だが、そんな彼女のプロデュース…

おおたか静流『NOSTALGIA』

おおたか静流『NOSTALGIA』 カバーシリーズ『Repeat Performance』等で知られるボイスアーティスト、おおたか静流がテイチクからキングレコードへ移籍し発表した94年作オリジナル・アルバム。 以前から彼女の楽曲へ参画してきた福田裕彦が、本作では満を持し…

宍戸留美『ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・シ・シ・ド・ル・ミ』

宍戸留美『ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・シ・シ・ド・ル・ミ』 アイドル、宍戸留美が90年に発表した伝説の1stアルバム。性を問わず誰の心にもある「少女像」を過激に増幅させたような作風で、大胆なフェイクのはずなのに実にリアル……という、不思議な…

笹野みちる『イノセンス』

笹野みちる『イノセンス』 元・東京少年の笹野みちるが、96年に発表したソロ4作目。前年にレズビアンであることを公言し、著書『Coming OUT!』やアルバム『GIRL MEETS GIRL』を発表するなど精力的な活動を行った彼女だが、本作では一旦そうした活動に距離を…

さねよしいさ子『うてな』

さねよしいさ子『うてな』 リリースしたアルバムの全てが名盤……といって過言ではないさねよしいさ子だが、そんな彼女の作品の中でも特に楽曲のバラエティ・バランス・クオリティの三拍子が揃った93年発表の4作目。フォーライフ期のラスト作でもある。 ストレ…

SAKURA『SAKURA』

SAKURA『SAKURA』 後に東芝EMIからメジャーデビューするシンガーソングライター:SAKURAが、タワレコDIG UPレーベルより95年に発表した4曲入ミニアルバム。SELFISHの大坪直樹がサウンドプロデュースを担当しており、パンチの効いたR&Bアレンジが気持ち良い。…

斉藤美和子『タイム・ミシン』

斉藤美和子『タイム・ミシン』 タンゴ・ヨーロッパの「ニャンコ」としてデビュー。86年からソロ活動を開始。その後作詞家として「さいとうみわこ」「さいとういんこ」等の名義で活動する彼女が、メジャーデビュー後の89年にインディーズ期の楽曲をコンパイル…

花岡幸代『金のりぼん』

花岡幸代『金のりぼん』 アニメ『クッキングパパ』の後期ED「HANDS」でも知られるシンガーソングライター:花岡幸代が91年に発表した1stアルバム。 デビュー以前にパーソナリティを担当していたラジオ番組で毎週新曲を発表するなど、叩き上げられたソングラ…

五島良子『PIERCED』

五島良子『PIERCED』 1990年のデビューから可愛らしいポップスを志向していたシンガーソングライター:五島良子が一変、ポリスター移籍と共に髪型をアフロに変え、音楽性を急転換させた96年発表の6thアルバム。ポップからオルタナへ転換していく時代を捉えた…

淺井ひろみ『オリジン』

淺井ひろみ『オリジン』 現在は「HIROMI」名義で活動するシンガー:淺井ひろみが88年に発表したデビュー作。海外作家の楽曲提供および洋楽カバーで構成された、作曲クレジットが全て英字の1枚。 強い洋楽指向を感じるが、今作は単なる「洋楽指向のアルバム」…

大城光恵『空を見ようよ』

大城光恵『空を見ようよ』 近年、地元宮崎にて活動を再開させたシンガーソングライター:大城光恵が93年に発表した1stアルバム。ジャケットを見ると当時量産された大自然系GiRLPOPかと誤解するが、その実は(17歳でポプコンのグランプリを受賞した経歴が物語…

奥井亜紀『Wind Climbing』

奥井亜紀『Wind Climbing』 「魔法陣グルグル」をはじめとするアニメ関連の主題歌でも知られるシンガーソングライター、奥井亜紀が95年に発表した2ndアルバム。 今作ではデビュー時からのトレードマークであったファルセットに加え、過剰に息を吐くことで迫…

NORA NORA『Electric Lady』

NORA NORA『Electric Lady』 日本を代表するサルサバンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスのボーカリストであるNORAが96年に発表した初のソロアルバム。全編曲を米サルサ界の大物プロデューサーであるSergio Georgeが担当した、N.Y.録音の1枚。歌詞は全編スペイン…

野田ユカ『カリブの夢』

野田ユカ『カリブの夢』 現在はピアニスト・鍵盤ハーモニカ奏者として活動する野田ユカが、ヤマハ音楽振興会のエレクトーンプレイヤーだった89年に発表したソロアルバム。副題の「ライト・フュージョン・ファンタジー」に偽り無く、ジャケットの陽気をそのま…

近藤名奈『NaNa』

近藤名奈『NaNa』 デビュー当時の自然派少女イメージを払拭し、自ら作詞作曲も担当した4thアルバム。元ORIGINAL LOVEの宮田繁男がメイン編曲を担当し、バンドサウンドが中心となった1枚。メリハリの効いた佳曲③などを収録。師と仰ぐイーグルスのティモシー・…