後追いGiRLPOPディスクガイド 別館

WEBディスクガイド『後追いGiRLPOP』の誘導用に作成した別館です。87年〜97年にリリースされた女性ソロアーティストのアルバムを、当時を知らない筆者が後追いで聴いています。実は別館のほうがジャケット写真の解像度が高かったりする。

2018-01-01から1年間の記事一覧

大城光恵『空を見ようよ』

大城光恵『空を見ようよ』 近年、地元宮崎にて活動を再開させたシンガーソングライター:大城光恵が93年に発表した1stアルバム。ジャケットを見ると当時量産された大自然系GiRLPOPかと誤解するが、その実は(17歳でポプコンのグランプリを受賞した経歴が物語…

奥井亜紀『Wind Climbing』

奥井亜紀『Wind Climbing』 「魔法陣グルグル」をはじめとするアニメ関連の主題歌でも知られるシンガーソングライター、奥井亜紀が95年に発表した2ndアルバム。 今作ではデビュー時からのトレードマークであったファルセットに加え、過剰に息を吐くことで迫…

NORA NORA『Electric Lady』

NORA NORA『Electric Lady』 日本を代表するサルサバンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスのボーカリストであるNORAが96年に発表した初のソロアルバム。全編曲を米サルサ界の大物プロデューサーであるSergio Georgeが担当した、N.Y.録音の1枚。歌詞は全編スペイン…

野田ユカ『カリブの夢』

野田ユカ『カリブの夢』 現在はピアニスト・鍵盤ハーモニカ奏者として活動する野田ユカが、ヤマハ音楽振興会のエレクトーンプレイヤーだった89年に発表したソロアルバム。副題の「ライト・フュージョン・ファンタジー」に偽り無く、ジャケットの陽気をそのま…

近藤名奈『NaNa』

近藤名奈『NaNa』 デビュー当時の自然派少女イメージを払拭し、自ら作詞作曲も担当した4thアルバム。元ORIGINAL LOVEの宮田繁男がメイン編曲を担当し、バンドサウンドが中心となった1枚。メリハリの効いた佳曲③などを収録。師と仰ぐイーグルスのティモシー・…

中野理絵『ボーダーレス』

中野理絵『ボーダーレス』 当時17歳だったアイドル、中野理絵のデビュー作にして唯一のアルバム。音楽プロデュースを安田信二が手がけ、棚谷祐一・直枝政広のカーネーション・コンビによる楽曲も収録……と、明らかに同時期の「森高」を意識した1枚。 しかし彼…

NADJA『月日星』

NADJA『月日星』 現在は「日向さやか」としてジャズ・カリビアン等のDJで活動する彼女が、NADJA(ナジャ)のアーティスト名で89年に発表した2ndアルバム(タイトルは「チイチョホイ」と読む)。太くシルキーでエキゾな歌声と、ジャケットも含めたミステリア…

濱田理恵『無造作に愛しなさい。』

濱田理恵『無造作に愛しなさい。』 NHK教育「いないいないばぁ!」内の音楽でも知られ、現在はDarieのアーティスト名で活動する濱田理恵が89年に発表した1stアルバム。プロデュースは鈴木博文で、リリースも氏が主催するメロトロン・レコードから。 作詞・作…

森口博子『happy happy blue』

森口博子『happy happy blue』 ガンダム関連の主題歌やバラドルとしての活動で知られる森口博子が、97年に発表した11作目。オリジナル・アルバムとしては現時点における最終作である。 今作は広瀬香美 - 本間昭光 / 平松愛理 - 清水信之 / 宮島律子 - 迫田到…

MOMOSE『花になりたい細胞』

MOMOSE『花になりたい細胞』 他アーティストへの楽曲提供・サポートも行い、現在はNYに拠点を置く女性SSW:MOMOSEが97年に発表した1stアルバム。夫である青木庸和の編曲によるスイート・メロウなサウンドに乗せて、MOMOSEの独特な(というか下世話な)詞が歌…

今井美樹『MOCHA under a full moon』

今井美樹『MOCHA under a full moon』 86年の歌手デビュー以降、コンスタントに作品をリリースしその地位を確立していった今井美樹が、89年に発表した4thアルバム。前作の名盤『Bewith』と並んで「夏」をテーマとし、聴く者を(たとえその時代を生きていなか…

miyuki『CUTEでいこう』

miyuki『CUTEでいこう』 コスモ石油のCMソング「ココロも満タンに」を手掛けたことでも知られるシンガーソング・ベビィフェイス:miyukiが、国立音大ピアノ科の学生だったインディーズ時代に発表した2ndミニアルバム(後に契約したEPICから「メジャープレデ…

宮部ひかり『ときどき私がわからない』

宮部ひかり『ときどき私がわからない』 92年発表の2ndアルバム。自らの造語による四字熟語や慣用句を用いるなど、彼女の独特の言語感覚(というかダジャレ)による作詞が光る1枚。 メインの作曲は実兄である宮部智夫が担当。作詞:妹、作曲:兄というツーカ…

みらのりこ『Sweet Drugs』

みらのりこ『Sweet Drugs』 92年発表のデビュー作にして、唯一のオリジナルアルバム。当時の「上等神奇的オーガズム」という、掴めそうで掴めないキャッチコピーが逆にフィットする1枚。 半数の作曲をソロデビュー前のQumiko Fucci(福士久美子)が担当する…

MINNIE『想い出じゃ眠れない』

MINNIE『想い出じゃ眠れない』 それまでブラコン寄りの打ち込み路線をとってきたMINNIEが一変、腕利きのバックバンドを携えてたっぷり空間をとり、良質のポップスを展開した1991年発表の4枚目。彼女のキャリアにおけるラスト作でもある。 サウンド・プロデュ…

清水三恵子『貝の道』

清水三恵子『貝の道』 清水靖晃の実妹であり、「Apache 61」名義の活動でも知られるロンドン在住コンポーザーの2ndアルバム。1stはUKリリースだったが、今作はテイチクからの国内リリースとなっている(録音はロンドン)。 アレンジは彼女のキーボードとプロ…

松岡真由美『パティオでSlow Dance』

松岡真由美『パティオでSlow Dance』 日本におけるラテン・フュージョンの第一人者である松岡直也の令嬢、松岡真由美が90年に発表した唯一のアルバム。作曲:松岡真由美、編曲:松岡直也という親子コンビで全曲を構成(⑤では作曲も共作)した1枚。 各曲にク…

松本玲子『ミュージック・ミュージアム』

松本玲子『ミュージック・ミュージアム』 80年代からエレクトーン奏者・指導者として活躍していた松本玲子が、95年に発表したソロアルバム。古代ギリシャや明朝中国の古楽譜、各国民謡等からインスピレーションを受けたオリジナル曲を収録している。エレクト…

真璃子『21世紀の子供たちへ』

真璃子『21世紀の子供たちへ』 レコード会社を移籍し、アイドル歌手から新たな路線へ踏み込んだ88年作の3rdアルバム。ほぼ全曲で真璃子本人が作詞を担当し、「正しく童謡的」と言いたくなる奥深い作風を披露。よくある女性歌手の「なんちゃって作詞」とは一…

林まきえ『三日月の深呼吸』

林まきえ『三日月の深呼吸』 2017年には初の著書を出版するなど、ボイストレーナーとしても活動するJazz Vocalist:林まきえが、92年に発表した唯一のソロアルバム。全曲がオリジナルの歌モノで構成された、ジャズ・ジャスコ・ポップスの名盤。 まず特筆すべ…

田中真弓『ラターニャの鏡』

田中真弓『ラターニャの鏡』 パズー・クリリン・ルフィ等、代表作は枚挙にいとまがない声優:田中真弓が93年に発表した唯一のソロ作品。田中が一人八役をこなすオリジナル・ストーリーと、ストーリーの流れをくむ楽曲が交互に流れる構成を取った1枚。 まず何…

草地章江『NOT ALONE』

草地章江『NOT ALONE』 後に声優として知られる草地章江が、89年に歌手として芸能界デビューした際に発表した1stアルバム。所属事務所・レコード会社が共に同じだった中村あゆみの妹分的な存在として、鎌田ジョージがプロデュースを手がけた1枚。 編曲は鎌田…

黒田有紀『bicycle』

黒田有紀『bicycle』 デビュー作にして唯一のオリジナルアルバム。本作の後にシングルを1枚出して引退してしまったのが惜しい……自作中心で10曲程度の2ndが聞きたかった……と思わせる1枚。 ASKA作曲のシングル曲①⑥が名曲なのは言わずもがなだが、それと同等に…

熊谷幸子『ART OF DREAMS』

熊谷幸子『ART OF DREAMS』 松任谷正隆が校長を務める音楽スクール「マイカミュージックラボラトリー」へ通学中に才能を見出され、29歳でデビューした熊谷幸子の1stアルバム。松任谷がアレンジ・プロデュースを手がける他、作詞もマイカ在学生によるチーム「…

小林清美『One Moment』

小林清美『One Moment』 現在は山梨で音楽教室K&Mミュージックを設立し、アイドルのプロデュースや自らセンターを務めるグループの結成など精力的に活動する小林清美が、97年に発表した2ndアルバム。本作の2ヶ月後に発表した次作『After Moment』とは実質的…

井上貴代美『すっぴんの私』

井上貴代美『すっぴんの私』 1992年にリリースされた、井上貴代美にとって唯一のアルバム。全曲の作詞を本人が担当し、その独特なセンスが遺憾なく発揮された1枚。斜に構えたひねくれポップ感と、不意に出るナチュラル感覚が見事に交錯・融合している。 メイ…

樹原涼子『ギリシャ神話のように』

樹原涼子『ギリシャ神話のように』 91年から出版されたシリーズ累計180万部の教則本『ピアノランド』の著者としてピアノ教育界で活動するだけでなく、桝田省治作品のゲーム音楽を手がけるなど幅広い活動を行う樹原涼子が、93年に発表した歌ものソロアルバム…

川島郁子『MY TURN?』

川島郁子『MY TURN?』 伊藤隆博と組んだユニット:Aquaでも知られ、現在はラジオDJ・ヴォーカル講師として活動する川島郁子が92年に発表したデビュー作。ジャズの要素を持ったポップス……と簡単には片付け辛い、捉え所のないオーパーツ感がある1枚。 川島は全…

川崎真理子『GIRL'S TALK』

川崎真理子『GIRL'S TALK』 バンド「UNISEX」のボーカルとしてデビュー後、ソロ活動に転じた川崎真理子(現:マリコスミス)が93年に発表した1stアルバム。全曲を自ら作詞作曲し、 独特な歌声が活きるガールズな楽曲で固められた1枚。 槇原敬之が「木下鉄丸…

金子美香『Flowerbeat』

金子美香『Flowerbeat』 シライシ紗トリと組んだ「PARADISE LOST」や、レディースバンド「Betty Blue」でも活動していた女性シンガー:金子美香の4thアルバム。前作『KICK』から引き続き高橋研がプロデュースを担当。金子の歌い方を含め様式美とも言える青春…